憧れの涸沢へ

朝は6時前に起床。というか、荷造りしているらしい皆様の音で起こされました。
おいしい朝食をいただいて、軽く荷物をまとめ、7時40分ころ徳澤園を出発。
下調べでは、徳澤園から涸沢までは約4時間。順調に行けば正午には今夜の宿泊先涸沢ヒュッテへ着けるはず・・・が、不測の事態発生!



20分ほど歩いたころ、私の腹部がしくしくと痛み出し、、、次のトイレ休憩・横尾山荘まで我慢できるか、一度徳澤園に戻るべきか。
寧サンとの会話も上の空。
引き返すと言ったら、寧サンは快く引き返してくれるだろうけど、でも引き返したら最短でも50分のロス↓
~~悩みあぐねている間にも、冷や汗らしきものが私に決断を迫ってくる。。。無理!!!かえるっ

心配する寧サンを後ろに従えて、無口なまま来た道を戻りました。

徳澤園で用を足し、再出発したのは8時45分。結局1時間以上のロス。はぁ。

気を取り直して?横尾山荘を目指します。お腹が痛くないって、なんて快適なんでしょう。
相変わらずの雨だけれど、心はピカピカの晴天。
予定通り1時間で、横尾山荘に到着。

横尾山荘からの小道は、小さな滝を登っているよう。
勾配は急ではないけれど、絶え間なく流れ続ける雨水を避けながら歩きました。
足元への注意を強いられ、景色を楽しむ余裕もなく、11時半、いつの間にか本谷橋へ到着。

ここまでの道のりは、ほぼ平坦。傘を持ってでも進めそうな道でした。登山らしい道は本谷橋からスタート。

本谷橋からは休憩所らしい休憩所がありません。正直休むよりも早く涸沢ヒュッテへ着きたい一心で、気づけば標高2000mを超えていました。

12時半、いよいよ残雪エリアへ。

ガスの合間から、目指す涸沢ヒュッテが見え隠れ。徳澤園から涸沢までは約4時間、としたらもうすぐなのでは?
雪の道を慎重に進むが、なかなか辿り着きません。見えているのに、なかなか近づけない、これって世の常かも。


それでも13時半、ようやく憧れの涸沢ヒュッテへ辿り着きました。
荷物は早々に片付け、テラスへ急いだけれど、ガスっていて何も見えません。

テラス席は、先ほどまでの雨でびしょぬれ。

雑誌や、ネットで何度も見た、晴れた日のテラス席ではなかったけれど、自分の足で登ってきたから見れる、この景色。この空気。700円もする500mlの缶ビールで喉を潤し、感動にひたってみたり。

涸沢ヒュッテは、私が頭に思い描いていた"ザ・山小屋"でした。
内装は、黒光りした、温もりを感じる木の床、壁、柱。体は疲れていたけれど、ヒュッテに入った瞬間から心は癒されるばかり。
談話室には山に関する書籍がこんもり。
テラスでは、売店のあったかいおでんをほおばる人、持参のストーブでコーヒーを沸かす人、夕食までの時間を、みんなが思い思いに楽しんでいました。

予想外だったのは食事だけかも。食料が豊富でないだろうから、という理由で全く期待をしていなかったけれど、文句なくおいしかったです♪
雑誌などで読んでいて、最近の山小屋ごはんはやるらしい、とは聞いていたけど、百聞は一見?にしかず、です。

夕食後は迷わず談話室へ。缶ビール片手に本をめくりながら、まったり過ごしていると、背後から登山ツアーとおぼしきグループの会話が。お互いの登山経験などを話していました。

山小屋には山が好きな人しかいない、当たり前だけれど、山に登って初めて気づいたことです。

『毎日涸沢ヒュッテのホームページを見ていて。もうずっとこの景色へ来たくて、来たくて。旦那はおいて来ちゃいました!』40代くらいの女性が弾んだ声で話していました。

あぁ、わたしも。

山登りは、当日だけではないんだな。毎日ネットで山について調べて、どんなルートをどのくらいの時間で進むのか、登った人のブログで感想を読み漁ったり。登った人の仲間に早くなりたくて。あの時間も、私達は山に登っていたんだな。
山好きだけが、山小屋へ集まっているという安心感を、初めて知った夜でした。




行程//(徳澤園出発 7:40~8:05 引き返す~徳澤園着 8:30)徳澤園再出発 8:45~9:45 横尾山荘 10:15~本谷橋 11:30~12:30 残雪エリア~13:30 涸沢ヒュッテ

登山部始動

2泊3日の富士登山計画を、あいにくの雨、雷のために断念し、14時半上高地バスターミナルをスタートしました。

平坦な道を2時間ほど進み、井上靖『氷壁』の宿、徳澤園へ到着。


大部屋とは言っても、お風呂も完備された、旅館と見まがう徳澤園。おいしい晩御飯に舌鼓を打ち、心地よい眠りに・・・といきたいところが、山小屋デビュー徳澤園の夜は、暑くて暑くて。。

さらに寝る前にビールを飲んだのがたたったのか、深夜2時にはトイレをもよおして目が覚めてしまいました。
丑三つ時ってこのくらいの時間帯を言うんじゃなかったっけ!?ひとりびくびく、寝床のはしごを降りてトイレへ向かったものの、持てる想像力を総動員してコワイ話を思い出す私。
洗面所で鏡を見れば、背後に写る幽霊を妄想。便器に座っていても、向かい合う扉上方から現れる花子さんを自ら作り出し、自由に用も足せない有様。
徳澤園近辺で絶命されたクライマーの方々(そんな人いるのか?)の姿まで頭に思い浮かび・・・

そんなイメージを振り払いながら、命からがら寝床へ帰り着き、その後は浅い眠りを経て、朝を迎えたのでした。山小屋では、寝る直前のアルコールに注意!が今回得た教訓?




行程//
名古屋IC 8:30~みどり湖SA(昼食)~平湯 13:00~上高地バスターミナル 14:30~16:30 徳澤園